2025年02月16日
【施設職員のための介護記録の書き方】第11回:利用者・家族あての手紙文書のような敬語使用に要注意
介護保険サービスを利用する高齢者は、支援の主体者として中心に位置づけた「利用者主体」「利用者本位」の
サービス提供を行なうことが求められています。
そして、このような基本理念の下でのサービス提供を行なうということは、介護事業者にとって利用者は「お客様」との
見方が強調されることにも繋がっていきます。
それは決して悪い事ではありませんが、介護記録を書くうえでは、このような「お客様」という観点からの記録方法では、
少々懸念される点も出てきます。
それは敬語の使用ということです。介護記録に過剰な敬語を使用することは、介護記録の持つ本来の重要な役割が欠落してしまい、
専門職として行った介護行為の事実関係の確認や専門職同士の的確な情報共有のための資料としての信用性が薄れてしまうのです。
本来、介護記録とは介護職が行った介護行為の事実と、サービス提供を受けながら生活する利用者の様子を刻銘に記す
ためのものです。利用者宛の手紙や日記とは意味合いが違うものなのです。
介護記録に敬語を使用するさいには、控えめにして頂きたいと思います。使用することが間違いであるとは言いませんが、
介護記録を日々忙しいなかで記しているのかを考えた時に、自ずと敬語をてんこ盛りにした手紙とは異なる
ということはご理解されるはずです。
もし、どうしても使用したいというのであれば、謙譲語(自分をへりくだる)を用いてみてはどうでしょうか。
介護記録は「~する」「~である」などで率直に書きましょう。
詳しくは下記の著書をご参考にして頂けますと幸いです。
●このブログは下記の著書を参考にしています!
「介護職スキルアップブック 手早く書けてしっかり伝わる!介護記録の書き方&場面別文例集」秀和システム
BACK