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2025年06月01日

【第5回】カスハラを受けた介護職のあなたへ|心を守るために今すぐできるセルフケア

1.はじめに|“耐える”だけでは、心が壊れてしまう

介護の現場で、利用者やご家族から理不尽な言動を受けた経験はありませんか?
  • 「お前なんか二度と来るな」
  • 「言われた通りに動け、使えないな」
  • 「やって当たり前だろ、金を払ってるんだぞ」
言葉の刃は目に見えません。けれど、心に刺さるその痛みは、時として身体の不調や自己否定感となってあらわれます。これは、職業性ストレスによるものです。

これまでの記事では、カスハラへの対応法や職場としての備えを紹介してきましたが、今回は「あなた自身の心を守る」ことに焦点を当てます。

どうかこの記事を、安心してお読みください。
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2.シナリオ|「泣くなんて、弱いことじゃない」──夜勤明けのつぶやき
-登場人物-
●川村さん(20代・特養勤務1年目)
●先輩職員:山本さん(30代・介護福祉士)
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夜勤明けのスタッフルーム。川村さんは机に突っ伏していた。
声をかけると、目が真っ赤になっている。
山本さん:「大丈夫?寝不足?」
川村さん:「…昨日の夜、○○さんの息子さんが来て、いきなり怒鳴られて。ナースコールが多すぎるって…。利用者さんの不安が強い日だったのに…」
山本さん:「つらかったね。それ、完全にカスハラだよ。報告した?」
川村さん:「…なんか、私が悪いのかなって思っちゃって。みんな普通にやれてるのに、自分だけこんなに落ち込むのもおかしいのかなって…」
山本さん:「泣いていいんだよ。泣くって、弱さじゃなくて、“限界サイン”だと思うよ」
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このように、介護職は「感情を抑えることが美徳」とされがちです。
けれど、それが積み重なると、心が壊れてしまう前兆になります。
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3.カスハラのストレス反応とは?

ハラスメント被害にあった介護職は、以下のようなストレス反応を示すことがあります。
  • 寝つきが悪い、朝起きられない
  • 食欲が落ちる、逆に過食に走る
  • 出勤時に腹痛や動悸が起こる
  • 利用者の声に過敏になる
  • 「自分が悪い」と過剰に責任を感じる
  • 涙が止まらない、無気力になる
これらの症状が1週間以上続いたら、心が「SOS」を出しているサインです。
早めにセルフケアや相談を始めましょう。


4.今すぐできる!介護職のためのセルフケア3選

① 「気持ちを書く」習慣を持つ
人は感情を「見える化」することで整理できます。
その日あった出来事を、感情のラベル付きで書き出すだけでも効果的です。
例:
・利用者家族に「役立たず」と言われた → 悲しい/くやしい
・自分の対応は間違っていなかった → 自分を認めたい
感情に名前をつけることで、心が少しずつ落ち着いていきます。

② 「安心できる人に話す」
同僚、上司、友人、家族──誰でもかまいません。
「こんなことがあって…」と話すだけでも、心の負担は半減します。
特に、介護現場にいる人は同じ経験をしている可能性が高く、共感を得やすいです。
「わかるよ」と言われるだけで、救われた気持ちになることもあります。

③ 「自分が喜ぶこと」を優先する
  • コンビニスイーツを買って帰る
  • お風呂に好きな入浴剤を入れる
  • NetflixやYouTubeでバラエティを見る
  • スマホを1時間だけオフにする
「ささやかな喜び」を、自分に許してあげましょう。
「自分には癒される価値がある」と感じることが、回復への第一歩です。
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5.まとめ|「一人で抱えない」ために、今できること
介護職として、利用者や家族の思いに寄り添うことは大切です。
でも、あなたの心が壊れてしまっては、誰も幸せにはなれません。
  • 感情を書き出す
  • 信頼できる人に話す
  • 自分の喜びを大切にする
  • 外部に相談する
  • 「つらい」と声に出す
これらはすべて、「立ち直るための行動」です。

「相談すること」は甘えではない
誰かに頼ること、自分のつらさを言葉にすることは、甘えではありません。
それはむしろ「自分の命と尊厳を守る、勇気ある行動」です。
介護職の皆さんには、自分を大切にする権利があります。
“助けを求める力”は、介護のプロであるあなたが、誰よりも持っているはずです。

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